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 少し袖の余っているシャツと、大人っぽい帽子。素晴らしいプレゼントを買ってもらって店舗兼住居に戻ってから、キッドはカレンの作ったレモネードを飲んだ。曰く、 「レモネードはひと夏の思い出の味よ。甘酸っぱさは少年時代の幻。過ぎ去った青春。あなたにはピッタリ。父さんが輸入したレモンだから安心安全新鮮よ」 とのことだったが、実際まだ青春の階に足をかけたばかりのキッドには理解しがたい文句だった。  肝心のレモネードの味はといえば、それはとにかく美味かったので、年上の女が何を言っていたのかキッドは忘れた。     
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