4-② 振り込め詐欺犯を捕まえろ!

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「ははあ、やっぱりいまの時代は危ないわねえ。なるほどねえ、気をつけないとねえ。怖いねえ……」  大瀬良さんは、顔を蒼くした。  両腕をさすり、こわいこわいという仕草を見せる。  そのときだ。パトカーがもう一台やってきて、中からスーツを着た若い女性が登場した。  吟子より数歳上、三十歳くらいだろうか?  キリッとした顔をした、ショートカットの凛々しいひとだ。 「はじめまして。神山警察署刑事生活安全課の板橋香奈枝です」  どうやら、今回の事件の担当者らしい。しかも刑事のようだ。  板橋香奈枝は、ぺこりと頭を下げると、支店長や大瀬良さんとあいさつをし合ってから、話を切り出す。 「今回の事件は、確実に詐欺ですね。【巽フーズファクトリー】に問い合わせてみましたが、だれもそんな電話はしていないとの回答でした。また、【巽フーズファクトリー】の中にスズキという名前の社員は何人かいますが、いずれも男性でした。電話をかけてきたのは女性ということでしたので、これもおかしい話です」 「おお……」  大瀬良が、顔をしわくちゃにする。  これで詐欺ということが確定した。 「大瀬良さん、スズキと名乗った詐欺師のことですが、相手の電話番号とか分かりませんか?」     
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