4-② 振り込め詐欺犯を捕まえろ!

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「そうか。ATMの操作を教えるって言っていたものね。そりゃ、かけてくるわよね」 「そうです。そこで大瀬良さん。これは依頼なのですが、もし次に詐欺師から電話がかかってきたら、お芝居をしてくれませんか?」 「お芝居?」 「はい。ATMの使い方がどうしても分からない。だから振り込めない。やり方を教えてほしいので、直接ATMまで来てほしい、と……そう言ってほしいんです」 「なるほどね、ここに詐欺師を呼び出して、逮捕するわけね?」 「そうです」 「ち、ちょっと待ってください」  そのとき、加奈が口を開いた。 「ここに犯人をおびき寄せるって……犯人がこの近くにいるとは限らないんじゃないですか? 詐欺師は、例えば東京から電話をかけてきているかも」 「いえ、犯人はおそらくこの近辺の人間です」  板橋香奈枝の断言に、その場のだれもが目を見開いた。  加奈はさらに、怪訝顔を作り尋ねる。 「どうして、それが分かるんですか?」 「大瀬良さんの携帯の番号は、食堂の貼り紙に書かれてあるものです。電話帳やネットには掲載されていません。それならば、犯人はその貼り紙を目にした可能性が高いわけです」 「あ……」     
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