4-④ 謎の写真、そして

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 その片隅に、古ぼけた木造の一戸建てがある。  塀はない。  土地の上にぽつんと立っているだけの、ほとんどあばら家のようなその家屋。  築何十年だろうか。昭和の中ごろから建っていそうな一階建てだ。  出来たばかりのときは、もう少しきれいな家だったのだろうが。  そんな家屋の前にあるわずかなスペースには―― 「あった」  板橋が、小さく叫んだ。  白のワンボックスが、そのわずかなスペースに駐車されていた。  ナンバーの上にはまだガムテープが貼られている。  急いでいたのか、慌てていたのか分からないが、ここに戻ってきたあと、テープも剥がないまま車を置いたようだ。 「五十嵐さん、ビンゴですよ。あれは間違いなくさっきの犯人、杉山裕子の車です」 「ええ。よかったですね、これで杉山を逮捕できます」 「本当に。これは感謝状ものですよ」 「感謝状よりも、板橋さん。……今度、家のローンや車のローンを警察の方にお願いしたいんですが」 「ちゃっかりしていますね、五十嵐さん。――分かりました。同僚の中で家や車を買いそうな人がいたら、五十嵐さんに紹介しましょう」 「ありがとうございます」  吟子は心の中で右手を挙げた。  警察官。すなわち公務員のセールス先をゲットである。     
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