4-④ 謎の写真、そして

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 大瀬良さんは騙されず、犯人は詐欺未遂で逮捕され、自分はローンの営業先をゲットした。  今回も事件は無事解決、といったところだが―― 「……あれ?」  板橋たちは玄関に立ったまま、何度もインターホンを押している。  しかしドアは開かない。杉山裕子は中に籠もる気だろうか。 (それとも、留守……?)  と、思って杉山宅をしげしげと眺める。  その瞬間である。  吟子は、見た。  杉山宅の裏手。浴室かトイレ用だろうか、小さな窓がある。  そして、そこから逃げ出そうとしている杉山裕子の姿を。  玄関にいる板橋からも、また、家の裏手にいる警察官からも見えない。  ちょうど死角になる位置に、その窓はあった。 「ちょ……!」  吟子は思わず叫んだ。  杉山裕子は、窓からはいずり出て、庭に降り立ち、そのまま、逃げ去ろうとする。  もう、黙っていられない。吟子は車のドアを開け、外に飛び出すと、 「板橋さん! 杉山が窓から逃げてるっ!」  絶叫した。  すると板橋や警察官たちは吟子のほうを見て――  杉山裕子自身も、ぎょっとした顔を見せる。  が、杉山裕子はすぐに我に返り、走り出す。  逃げるつもりだ。そうはいかない。  吟子は思い切り駆け出して、杉山裕子の前方へと躍り出した。 「逃がすもんか!」 「どけぇっ、コラァ!」     
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