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「五十嵐さん。もう一度、自分の日誌を見返してみなさい。そこにヒントがあるはずだよ」
「は、はい」
――それから吟子は支店長に言われて、自分の日誌をチェックした。
昨日はどこへ行った、おとといはどういう仕事をした、その前は――
くまなく、漏れなく、読み返して……。
(……あれ?)
ふと。
天啓のようにひらめくアイデアがあった。
つい数日前、自分は『あること』を日誌に書き込んでいる。
その『あること』が使えるかもしれない。
大瀬良さんの助けになるかもしれない!
そう思ったのだ。
(大瀬良さん。これ、もしかしたらいけるかもよ!)
足りない百万円を、おぎなう策だ!
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