1-② 吟子さん、CMデビュー!?

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1-② 吟子さん、CMデビュー!?

 光瀬町商店街。  その名の通り、光瀬町のほぼ中央に位置しており、人口約一万五千人の光瀬町民がよく利用している商店街だ。  ――といっても、それは過去の話。  いまや光瀬町商店街は、昼間だというのに人気も少ない。ほとんどゴーストタウンの様相を呈している。長年の不況。地方の衰退。少し離れた場所に作られたショッピングモールの存在、などなど、こうなった理由はいろいろあるが。  全盛期は三十軒以上の店が立ち並んでいたメイン通りは、いまやシャッター商店街となり、まともに経営されているのは、限られた数店舗だけだった。  吟子は、その数店舗に用がある。 「どうも、こんにちはー。神山銀行でっす」  元気よく叫びながら、各店舗に入り、店主に愛想よく挨拶をする。  そして、短く叫ぶ。 「売上を預かりに参りました」  そう、吟子が商店街で果たすべき仕事は、集金であった。  週に一度、吟子は必ずこの商店街にやってきて、各店舗の一週間分の売上を、通帳と共に預かっていく。  売上は現金で預かり、支店に持ち帰る。  それから、預かった通帳を用いて、口座にその現金を入金するのだ。 「こんにちは、吟子さん。いつもお疲れ様ね」     
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