突然の別れ

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突然の別れ

「俺と会うには金がかかるんだ。タダでつきあえただけ、ありがたいと思え!」  3月上旬、春は近いとは言ってもまだまだ肌寒い季節。  2年間つきあった元彼からの、別れの言葉が私の心に突き刺さりました。  高校の演劇部で知り合った、一歳年上の元彼は、出会った時からすごく優しくて、辛いときも笑顔で励ましてくれました。  そんな彼に応えようと、私はお料理やお化粧など、彼が喜んでくれそうなことをとことん頑張りました。  高校を卒業して、彼は劇団、私は短大に入っても変わらずにお付き合いしてくれました。彼に頼まれて、劇団のチケットもたくさん買いました。  きっと将来は結婚するんだろうなって、おぼろげにゴールまで見えていました。  ところが、それは単なる思い込みでした。ひょんなことがきっかけで、二股をかけられていたことがわかったのです。  それを問い詰めると、途端に態度を冷たく変え、まるで別人のような、別れの言葉を放ちました。  あっけなく、あまりにあっけなく、わたしの恋は終わりを迎えてしまったのです。
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