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変な事言ったかなぁ…と思ってバーテンダーを見ると
彼は微笑みながら頷いて、銀の鍵の付いたネックレスをカウンターの上においた。
『やはりそうでしたか。その言葉は「選ばれた人」にだけ言われる「言霊」です。
貴女が突然「Monochromeの迷宮」に入ったのも、そのせいではないかと…
貴女は「招かれる客」という感じですね、このBARに。
この鍵はそう言った「選ばれた人」だけが持つ事を許される鍵です。
「Monochromeの迷宮」に入らなくとも、貴女が来たい時に、
この鍵に願いを込めて握りしめて下さい。
そうすれば、私は何時でも何処でも、この『BAR Pousse-Cafe』を開けましょう…』
「え…そんな簡単にここに来れるって…良いんですか?」
『ええ。勿論です。貴女は「選ばれた人」なのですから…
時に、貴女は金属アレルギーはありませんよね?
金属アレルギーがあったらサックスは演奏できませんから…』
「あ、ないです。生牡蠣はありますけど」
『おや、これは大変。次から来ていただく時のおつまみから「牡蠣」は外しましょう。』
「あ、ありがとうございます。Master…」
『Masterはやめて下さい。そう言えばまだ名前を名乗っていませんでしたね。
改めまして、私は『BAR Pousse-Cafe』のバーテンダー、「来人(らいと)」です。
以後お見知りおきを…』
「はい、来人さん。私は「凜音(りんね)」です。
これからよろしくお願いします」
『凛音さん…「輪廻」と同じ読み方ですね。やはり何か縁がある様です。』
「来人(らいと)」さんか…
そう言うとネックレスを受け取り、身に着けてみる。
Antiqueの鍵はSilverで出来ており、チェーンもSilverだ。
これで何時でもここに来れる…
そう思うと大事にしないといけないと思った。
鍵の裏を見ると「Rinne」と彫られていた。
いつの間にこんな細工がされたんだろう?
来人さんは魔法使いなのだろうか?
そんな事を思っているうちに、ある疑問を思い出した。
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