Blue Moon

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「あの…来人さん、どうしてこのお店は『Pousse-Cafe』という名前なのですか? 確かCocktailにもありますよね?バーテンダー泣かせのCocktailだとか…」 『おや、凛音さんはCocktailにお詳しいのですね。 確かに『Pousse-Cafe』は作るのが大変です。 アルコールの比重を考え、なおかつ静かに作らないといけませんからね。 でも『Pousse-Cafe』を知っているのならば、あの虹の様な色彩も解りますよね? ここは初めに言ったように「その人が失った色彩を見つける」場所。 なので、虹の様なCocktail、『Pousse-Cafe』から名前をいただきました。』 「そうなんですね…だから看板にも『Pousse-Cafe』のCocktailが書かれていたんですね」 『看板の色が見えたのですか?やはり凛音さん、貴女は「招かれる客」… いえ「私の友人」ですね。もうこのお店の鍵を持っているのですから』 急に「友人」と言われても…ちょっと困る。だって初対面の人だよ? こう言う時どういう顔をしたらいいんだろう? 困っているとバーテンダー…「来人」はあたしを見て言う。 『そんな困った顔をしないで下さい。ここに自由に来れる方に出逢えたのは 久方ぶりなのですから…私はとても嬉しいのですよ、凛音さん』 「あ、あの…『凛音』でいいです。だって、私と来人さんは「友人」なのでしょ?」 『確かに。これは失礼致しました、凛音。では私の事も「来人」と呼んで下さいませ』 「あ…はい。後、友達なら敬語はやめませんか?」 『それもそうですね、凛音。ではここからは堅苦しい話し方はやめましょう。 ところで、終電には間に合うのですか?凛音の家は新宿からは少し遠いみたいですが…』 その言葉にはっとする。終電、まだあったかな… 心配になってスマホを見ると、圏外になっている。 圏外って、どうしよう… あたしは慌てて来人に聞く。
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