路地裏に現れた「BAR」

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「まあね…特攻して玉砕したわ」 『これからはどうするんだ?』 「そうだね...知り合いに音楽事務所やってる人がいるからその人と1度話するかな…」 『なんだかなぁ…ま、お前なら成功するじゃねぇの?って言うか今どこにいるんだよ』 「今?新宿の花園神社。白梅が綺麗だよ」 『10時過ぎてるんだから、さっさと家に帰れよ。さすがに東京だってまだ寒いだろうよ。 この間も雪で電車止まるとか…大都市は雪国に比べて脆いねぇ』 「それ、言われても反論できないじゃんか」 『まあ、まだ寒いんだから風邪ひくなよ』 そんな話をして電話を切る。2時間近く話をしていたようだ。 空を見上げると、月が夜空を照らしていた。 「今月は、もう一回満月見れるんだっけ。確か『Blue Moon』あったはず…」 スマホの画面から月齢が解るアプリを見ると3日後に『Blue Moon』と出ていた。 あと3日で『Blue Moon』か。何処で見ようかなぁ… そう思ったと同時に『Blue Moon』というCocktailがあるのを思い出した。 「『Blue Moon』が飲みたくなったな。何処かのBARにでも行こうかな」 そう言うと立ち上がり、白梅と別れを告げて歌舞伎町のゴールデン街に向かって歩いていた。
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