路地裏に現れた「BAR」

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歌舞伎町にあるゴールデン街は、細い路地が何本も繋がって出来た場所。 小さな飲み屋やBARが犇めき合っている。 「夜間飛行」に「十六夜」などと言った看板を眺めながら、路地を歩く。 路地も終わりを告げようとした瞬間、急に眩暈がして、あたしはその場に座り込んでしまった。 「持病のメニエールの発作かな?薬はちゃんと飲んでいるのに…」 そう思いながらゆっくりと目を開けて立ち上がると、目の前に見慣れない看板が見えた。 『BAR Pousse-Cafe』という文字と、1つのグラスに7色の層が見えるCocktailの看板… よく歌舞伎町には来るが、こんなBARは見た事がない。 来た道を振り返ると、何故かそこにあったBARが並んだ路地は消えていた。 「なにこれ…どう言う事?」 そう思いながら、目の前のBARの扉に触れる。 重厚な扉の感触に「これは本当に存在するんだ…」と感じさせられてしまう。 色々と悩んでいたが、覚悟を決めてその扉を開けた。
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