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ゆっくりと目を開けると、バーテンダーが微笑んでいた。
『貴女の願い、月の女神は聞き届けてくれたと思いますよ。
貴女の「色彩」も見つかったようですね…
地平線に沈んだ夕日の名残のOrangeと、
白い三日月が銀色に染まるCobalt Blueの空のGradation…
それが「貴女の本来の色彩」とは。珍しいですね。
普通の人は1色しかない事が多いのに、貴女にはたくさんの「色」がある。
それにあの言葉...さては「選ばれた人」ですね?』
「選ばれた人」?「あの言葉」?また不思議な事言うなぁ…
クラスをカウンターに置きながら、そんな事を思う。
「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです。
ところで「選ばれた人」って、どう言う事ですか?」
『貴女の「色彩」の中にある言葉が見えました。
「風の色を聴いて、風の音を見なさい」と…
Gipsyの方の言葉の様ですが、何か心当たりは?』
「その言葉…はっきりとは分からないんですが、遠い昔に
タロットカードを操るおばあさんに言われた気がするんです。
確かに貴方の言うようにGipsyの方だったかと。
でも、最近の記憶ではなくて。
頭の片隅にその言葉だけが残されているんです。
時々引っかかってて…でも、それが何か?」
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