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小学三年生の夏休みに家族が増えた。 一人は産まれたばかりの弟。もう一人は新しい父親。家族が増えて家の中が賑やかになったのに、友美は今までよりも孤独を感じていた。母と二人で暮らしていた古びた木造のアパートに戻りたいと毎日のように願った。 母は産まれたばかりの弟の世話で忙しく、友美に構ってくれなくなった。泣き止まない弟をあやす母におやつを食べていいか聞いただけで怒鳴られ、いつでも母の顔色を伺うようになる。     
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