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1日目 朝
「よぉ、そこのお前さん。浮かない顔してるけどなんか不満でもあんのか?いや、言わないでもわかる、どうせ仕事に行きなくない、ってとこだろ?どうだ、図星か?お前さんみたいのは大体そう思ってるんだ、そう不満がるなよ、どうせ後1年で終わることなんだ。」
「なんだそんな顔して、絵に描いた様な仏頂面じゃないか。あ、俺?俺は死神だよ。丁度1年後に死ぬって人間に見えるようになるんだ」
季節の変わり目、夏から秋にかけて涼しくなりだしているころ、寝起きで見たのは自称死神の顔。
これもまだ夢の中なのか、それとも寝ぼけているだけなのか分からないけど、どうにも想像してた死神と違う。
「いや、死神ったって色々いるんだよ。俺みたいにペラペラ喋るようなやつから、いざお披露目ってなっても相手の前に出すらしないで、様子を見てるだけって奴までな」
声に出してないのに律儀に答えてくれるのはありがたいけど、余計に現実感がなくなるな。これは多分、まだ夢の中なんだろう。
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