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聖霊の魂から与えられた、稀有な才能と確かな未来を持つとされる主には、数多の思惑が寄り集まってくる。が、彼は全てを相手にしない。
必然レイリは主に代わって、それらの思惑を適切に対処し、対応しなければならなくなった。つまりは世界で一番、人と接する擬人となってしまった。
人と交わろうとしない人である主と、擬人であるにも関わらず、人とばかり接するレイリ。主と家令、他に代わるものもないある意味、特別な関係の二人。
家令として主に成り代わり、何とも割りに合わない役回りを演じなければならぬ日々に、いつしかレイリの心は捻くれて、常に浮かべる笑顔の裏に辛辣さを隠し持つ、立派な皮肉屋となってしまった。
そんなレイリを思い通りに扱えるのは、この世で主のヴィルトオーソのみ。そしてその主を過不足なく補佐出来るのはこの世でただ一人、レイリだけであった。
そんな間柄だからこそ知る、主と聖霊の魂との繋がり。
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