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それのどこに惹かれたのか、レイリには我が事ながら今でもよく分からない。
自分にも聖霊の魂が見えると思いたかったのかもしれないし、単にその美しさに心動かされたのかもしれない。
はたまた主の如く、特別な者として選ばれた身になりたかったのか、もしくは……主と光球が寄り添い合う姿を……羨ましい、とでも思ったのか。
とにかくそれ以来、主のそばにいるはずの、けれども本来なら見えるはずもないその光を、レイリは常に探すようになった。
主が生涯をかけた、聖霊の魂のための肉体造りにも首を突っ込むようになった。
かの魂が入ることになるのであろう、特別なゆりかごに収められた身体……その長い睫毛に彩られた瞳が開いたら、どんな風であろう。ふっくらとした唇から溢れる声は、どんなだろうか。
歩く姿は? 笑顔は、笑い声は?
そんなことに心囚われながら、彼女の身体と向き合う日々の中、育まれてしまう気持ち。加速してゆく想い。
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