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愛する喜びを知り、叶わぬ愛に身を焦がし、そして愛する人から愛されるという、この上無い幸せを得て……
今でも時々、鮮やかに胸に甦る、瞬く間に過ぎ去ってしまった彼女との日々。幸せと喜びに満ち溢れながらも、苦しみと後悔の念が残る、かけがえのない記憶。
それは今のレイリを支える、大切な記憶。けれどレイリは、決して追憶の中にだけ生きているわけではない。
それがあるからこそ、生きる未来があるのだ。次こそ新しい未来をつくるのだ。
彼女がいつこの世界に……レイリの元に、戻ってきてもいいように。
聖霊の魂として存在し、主の伴侶として肉体を与えられ、人々や擬人達に希われた、あの時の彼女ではなく。
全ての制約を取っ払い、今度こそ身も心も過去も未来も、自身だけのものとして存在することになる、彼女の新たな命。
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