ー桜色の初恋ー君は僕のもの＜短編＞

サクラサク

　新しいクラスで初めてのホームルームが終わり、とりあえず必要な係りが決まったところで休憩時間になった。

　私は仲良しのさつきちゃんに駆け寄り、また同じクラスになれたことを手を取り合って喜んで、今度の日曜日はお互いどちらの家で遊ぶかを話し合っていた。

「おーいゆう！また同じクラスになったなー！」
「その髪なんだー？切ったのかよー。だっせー」
「前髪短すぎー、金太郎かよー！」

　さつきちゃんと同じクラスになれたのは良かったのだけれど、いつもの意地悪3人組まで付いてきてしまったらしい。
　こうすけ、ゆうき、ひろきの三人は何が面白いのか、私の姿を見つけると決まっていつも3人で囃し立ててきた。
　3人の中での今日のネタは、どうやら昨日眉の辺りで切りそろえた私の前髪になったようだ。
　それが日本昔話に出てくる金太郎のようにちんちくりんだと言いたいらしい。
　私は金太郎の知名度を更に上げたと思われる携帯会社のコマーシャルを心底恨めしく思った。

　新学期だし、可愛くなれたら良いなと思って思い切ってみたんだけどな・・・
　いつものことだと分かっていても、ちょっぴり傷つく。

　さつきちゃんが

　「やめなよ。もうっ」

　と、怖い顔をしても、男の子たちが意に介する気配は一向にない。