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私は密かに刺さった言葉に顔を歪めた。
それを友人は勘違いして「やっぱり、由依キライだよね? 媚びすぎじゃね?」なんて言ってくる。
私は慌てて「私は由依キライじゃないよ。一年の時、仲良かったし」と否定するけど、友人は「大丈夫、大丈夫。黙っておくから」なんて、勘違いしたまま。
「入り口、塞がないで」
教室の入り口で話していた私たちに言ったのは、キミだった。
私は産毛が総毛立った気がした。
ヒヤッとして、避けながらキミを見たら、キミも私を横目で一瞥して去っていった。
「聞かれたかな」
友人の言葉は私に更に刺さる。
「悪口告げ口するような奴じゃないか」
あっけらかんと言う友人に、私は泣きたくなった。
悪口……。
言ってもいない悪口をキミに聞かれたかもしれない。
彼女、いるんですか……。
私は憶測に過ぎない情報にすっかり負けて、口をつぐんだ。
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