1話 後輩の本性

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1話 後輩の本性

俺は佐藤亮太、高校2年。いたって平凡な男子高校生だ。 そんな俺にはかわいい後輩がいる。高校1年生の真宮はる。こいつは中学からの知り合いなんだが、とりあえずかわいい。顔も性格も純情乙女って感じの雰囲気で、俺とは釣り合わない。だけど真宮は俺に懐いてくれているし、俺たちは良好な関係を築いてるといえる。 最初に真宮と高校で再会した時、 「佐藤先輩!お久しぶりです!」 と言ってきた真宮の顔がとても眩しかったのを覚えてる。いや、こうなんていうか瑞々しいフレッシュな感じがしたんだ(おっさん目線)。とにもかくにも、真宮と俺はそこからちょこちょこ話すようになって仲良くなった。 そんな真宮と俺はよく放課後一緒にいる。そうすると、やはり冷やかす奴はいるもんで、 「付き合ってんだろ?もうヤったのか?(笑)」 なんて聞いてくる輩もいる。しかも真宮の前で言うもんだから、真宮はすぐに恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いてしまう。 「おい、やめろよ。ただの友達だって毎回言ってんだろ...」 大きなため息をわざと吐きながら友達に注意をする。そんな間にも俺は真宮の顔をチラッと見て、赤い顔を観察した。 (やっぱかわいいよなー...) こんな冗談言われただけで赤くなる女子なんて今は絶滅危惧種なんだろうなーと思った。クラスの女子なんか、男も引くような下ネタ言うし。そんな奴ら見てると、純情な真宮がすごくかわいく見える。 そんなある日のことだった。今日は1年生のほうが終了時刻が遅く、友達と話しながら真宮を待っていたとき、友達からあることを言われた。 「真宮がなんか隠してる?」 「ああ。ま、別に重い話じゃなくてさ、女ってやっぱなんかしら隠してたりするじゃん?真宮ちゃんだってどんなに仲のいいお前にも言わないことがあるんだろうなーと思ってさ」 「確かにな...」 真宮にだって言えないことの1つや2つあるだろう。そもそも、真宮はなんで俺のことを覚えていたのか不思議なくらいだ。中学の時は正直な話、真宮と関わったことはほとんどない。同じ部活だったけど、実際はあまり話したことがなかったし。だからだろうか、真宮が俺に最初話しかけてくれたとき、すごく嬉しかったんだ。覚えてくれていたことが純粋に。
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