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めっちゃ声が震えてた。恥ずかしい。緊張と不安が一気に押し寄せてきた。なんて言われるのか、俺はその言葉になんて返すべきなのか。あらゆる可能性を頭に思い浮かべて内心ビクビクだった。
真宮は驚いたようだけど、少し間を置くと、
「あります」
ただ一言だけ返してきた。
「何を隠しているのか...聞いたら答えてくれるか?」
真宮は少し不安そうに聞いてきた。
「もしかしたら、このことを聞いたら先輩は私を嫌いになるかもしれない。でも私、それだけは嫌なんです。先輩に嫌われたくない。だから先輩...」
真宮が俺の手を握った。
「私のこと、嫌いにならないって約束してくれますか?」
真宮のこんな顔初めて見たかもしれない。不安そうで、辛そうな。もしかして、俺が思っていたよりも重い話なのかもしれない。こんな顔をさせてしまうぐらいなら聞かなければよかったのかもしれない。だけど俺は、
「いいよ、約束する。だから俺になんでも話してくれ」
できるだけ笑顔で答えた。真宮がこれ以上不安にならないように。真宮のことを守ってやろうと思った。
真宮は俺の返答を聞くと、俺の手を握ったまま歩き出した。
(どこに向かっているんだ?)
そう考えていると、一軒の家に辿り着いた。
「ここは?」
真宮はこちらを振り返って言った。
「私の家です」
鞄の中をゴソゴソして鍵を出すと、
「今日は誰も家にいないので、ここでお話をしましょう」
と言い出した。俺は「ダメだろう」という理性の言葉を無視して、家の中に入った。
真宮の部屋は二階で、鍵がかかっていた。真宮に開けてもらって入った部屋は、なんともかわいらしい空間だった。女子が好みそうなピンクが基調の部屋で、あちこちに物はあるものの、どれも片付いていた。
俺はテーブルの近くに腰を下ろすと、真宮は向かい側に座った。
「先輩、今から私の秘密を見せます。心の準備はいいですか?」
真宮の緊張した面持ちに、俺までも緊張してきた。
俺も黙ったまま真剣な表情で頷く。すると、真宮は部屋の壁にかかっていたカーテンを開けた。
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