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先生の言葉に少し悩んでから答えた。
「あんまり、わからないかなぁー。」
その言葉を聞いてから、先生は前の席に腰を下ろし私の勉強する机に頬杖をつきながらこちらをジッと見つめてくる。
その仕草がとても綺麗で、見つめられ薄い茶色の瞳が真っ直ぐにこちらを見るから柄にもなくドキッとしてしまった。
「お前、モテるだろ?告られたりしてドキドキしたりしないのか?」
「先生は、ドキドキするの?」
なんて答えていいのかわからなかったから、はぐらかしてしまった。
「どうかな、教師になってから告白なんてされまくりだからな。」
喉の奥で、くくっと笑いながら答える。そんな姿すら、綺麗だなと思わせる。
「『この人物の恋心を答えなさい』。お前が躓いた問題なんて、『先生が好き』とか『付き合ってください』とか…そんなんばっかりだったぞ。」
「なにそれ、モテ自慢ですかー。」
「違う違う、お前もそんな風に好きだって言える気持ちがあれば恋心だってわかるだろ。」
「いやいや、私…好きとか言った事もないし。彼氏もいないし。」
「ふーん…。」
興味なさそうな先生の口角がもう一度上がり、私に先生の顔がゆっくりと近づいてきた。
意味もなく、心臓が高鳴った。
誰だって、こんなイケメンの顔が近づいてきたドキドキしてしまう。
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