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ヒカリは今から起こす悪いことを自分に言い聞かせ戒め、でもお母さんの為、と助けたい気持ちで心を満たし罪悪感を包みこんだ。
「・・ヨシ君行こう!」
決断したヒカリは行動が早かった。
[ガチャガチャ!]
ヒカリが正面入り口の扉を開けようとするがやはり鍵は閉まっていた。
「ヒカリちゃん!裏に回ってみようよ!」
佳輝は最初から、入るなら別の所から、と思っていたかのように裏道を見ていた。
「あっうん!」
ヒカリも少し冷静になって考えてみて、扉に鍵が掛かってるのは常識だ、と少し頬を赤く染めた。
少し回り道をするが、商店街に並ぶ店の裏側は古民家や古い雑居ビル等が立ち並んでいる。建物と建物の僅かな隙間に冬馬の骨董店に続く裏道は確かにあった。
「すこし狭いけど僕達なら余裕だね!」
佳輝は自分達の小ささ細さを誰かにアピールするかのような口振りで言った。
冬馬の骨董店の裏側には地面からおよそ140cmの高さに幅200cm高さ100cmの少し大きめな引き違い窓が一つあった。
ヒカリより5cm身長が高い佳輝でも、それでも目線が丁度窓の下サッシまでしかない。
手を伸ばせば窓開けれるが鍵までは届かない。
「これじゃ届かない・・ね。」
少し落胆した佳輝だがあることに気づく。
「あれ?この窓の鍵って僕達が知ってる鍵じゃない。」
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