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そう古い建物の為回転式の噛み合う鍵ではなく。引き違う窓の木枠が重なり合った所にネジで栓をするようなタイプだった。
「不安だったけど、もしかしたら僕達でも開けれるかも!」
背負っていたリュックには事前に佳輝が必要であろう物を準備していた。中には最悪ガラスを割るための金槌、ドライバーやノミ、ロープ等、本やテレビ見たそれらしい物を詰め込んでいた。
「僕が土台になるからヒカリちゃん開けるのお願い出来る?」
佳輝は自分では届かない為土台になることを志願した。
「う・・うん。わかった。」
ヒカリは心配そうに返答した。
土台の佳輝に乗れば鍵を開けるのに苦労する高さではない。
ヒカリはドライバーとノミを手に持って佳輝の背中に乗った。
「だ・・大丈夫?」
ヒカリは再び心配した。
「大丈夫だよ!ヒカリちゃん軽いもん!」
そう言った佳輝だが、実際は筋力もそこまでない、のでいくらヒカリが軽いとはいえ、いつまで持つか不安だった。
ヒカリは手に持ったノミで鍵の予想地点にノミを押し当てた。
ノミの角で時計回りに回すと少しずつではあるが木屑が出始めた。
「やった。」
ヒカリの口から喜びが漏れる。
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