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ある程度掘れ、栓をしているネジを発見した。ネジの周りをノミで掘削し、丁度良い所でドライバーに替える。ドライバーといってもアタッチメント交換式のドライバーで今回使うアタッチメントは円形状の筒のようになっている。先端は刃があり、くり貫く為使用する物だ。
最初からこれを使用すると掘るのに時間がかかるし、第一このアタッチメントの幅では木枠をくり貫けない為だ。
事前にノミで掘ったのであとはドライバーでくり貫けば栓は解かれる。
「あと少しだよ!ヨシ君!」
佳輝が土台になって10分が経過していた。
流石の佳輝も頑張った方だが手が若干震えだした。
「大丈夫?ヨシ君。」
心配そうに話しかけるヒカリ。
男の意地を見せつけるかのように佳輝は奮い立たせこう言った。
「後・・3分は大丈・・夫。」
正直かなり限界だった。でもここで倒れる訳にはいかない!そう思うことで少し限界を越える事が出来た。
[ガリガリッガリッスッス・・]
穴が貫通したのだ。
「やった!やったよ!」
ヒカリは嬉しさのあまり佳輝が土台になっている事を一瞬忘れ跳び跳ねてしまった。
「わっわっ・・っ!」
突然跳び跳ねたヒカリに佳輝は驚き、そして着地の衝撃に堪えれず体勢が崩れた。
「・・うっうわぁ!」
ヒカリも突然地面が陥没したかのような感覚に見舞われ、そのまま落ちた。
[ドスン!]
尻餅を着いたヒカリ、足はそのままで手だけが崩れ、まるで猫が伸びをしているかのような佳輝。
「いっててて・・。ごめんね!ヨシ君!私嬉しくてつい・・てへ」
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