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冬馬は知っている記憶と理解出来ない事象に頭が更に混乱する。頭の中が様々な情報で処理しきれない状態だが、思い付く一つの疑問を少年に投げ掛ける。
「君!もう一人はあの箪笥の中に入ったのか?知っているなら答えてくれ!」
少年の肩を強く握り大きな声で言った。
「へぇ?・・分からない。・・分からないよ・・。お・・おじさん怖い。怖いよ・・!」
少年は冬馬が向ける鬼にも似た形相で話しかける姿に怯え震えていた。
「あっ・・ご・・ごめん・・。そんなつもりじゃ・・。」
冬馬も焦りから我を忘れ少年を震え上がらせていた事に反省する。
自分を落ち着かせるため一呼吸置き今度は優しく聞いてみた。
「君、名前は?」
「あ・・荒縄佳輝・・。」
佳輝はまだ震えてはいたが目の前の大人からの問いに素直に答える。
「佳輝君か。さっきは怒鳴ってごめんね!ところでもう一人ここに居たと思うんだけど。」
優しく、再度疑問を投げ掛ける。
「もう・・一人・・?・・うっ!」
脳に電気が走ったように感じ、頭を少し抱える佳輝。佳輝が身に付けている指輪が微かに光る。
「ゆ、指輪が・・?だ・・大丈夫か?」
微かに光る指輪に少し疑問抱いたが、佳輝の身を優先し、心配そうに話す冬馬。だが頭の中は最悪の事態想定していた。
(俺の仮説が正しければ・・大変な事になる!時間がおしい!急がなければっ!)
冬馬は考え焦っていた。
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