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(・・っ!!どっから!少女の声が聞こえたけど。周りは誰も居ないぞ。。あー初めてだけどこれが熱中症なのかな。幻聴が聞こえてしまっている・・。店仕舞いして休んだ方がいいかもな。これは。。)
「ねぇおじさん大丈夫?顔色悪いよ?」
(あー幻聴にまで心配されている。情けない。。とほほ)
冬馬がカウンターを出てふと下に視線を向けると確かに声の主は居た。
見た目はとても可愛らしく、少し焼けた薄い小麦肌に髪はショートと如何にもアウトドア派な活発な女の子。紫苑の花を型どったネックレスが特徴的だ。
(・・っ!)
突然少女が現れた事に驚いたが、冬馬は理解した。
(カウンターの側に居たから見えなかったのか。。眼鏡も倉庫に置いて掛け忘れていたからカウンターからはみ出ていた頭髪部分は置物だと思って気付かなかったんだ。)
「・・や、やぁいらっしゃい!」
「おじさん、顔色悪いけど本当に大丈夫?」
「う、うん!大丈夫だよ!それより何かお探しかな?こんな小さいお客さんは初めてだよ!」
「えーとね、、あのね、笑わないでね!」
「うん!心配しないで!大事なお客さんの探し物を笑ったりしないよ!うちのお店は古いものだったらなんだって取り揃えているよ!言ってごらん?」
「うん。あのね、このお店に魔法使いになる本があるって聞いたの!私魔法使いになりたいの!だから、魔法使いの本、下さい!」
突拍子もない言葉に一瞬凍りついたがすぐこう答えた。
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