1話【出会い】

3/5
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
(・・っ!!どっから!少女の声が聞こえたけど。周りは誰も居ないぞ。。あー初めてだけどこれが熱中症なのかな。幻聴が聞こえてしまっている・・。店仕舞いして休んだ方がいいかもな。これは。。) 「ねぇおじさん大丈夫?顔色悪いよ?」 (あー幻聴にまで心配されている。情けない。。とほほ) 冬馬がカウンターを出てふと下に視線を向けると確かに声の主は居た。 見た目はとても可愛らしく、少し焼けた薄い小麦肌に髪はショートと如何にもアウトドア派な活発な女の子。紫苑の花を型どったネックレスが特徴的だ。 (・・っ!) 突然少女が現れた事に驚いたが、冬馬は理解した。 (カウンターの側に居たから見えなかったのか。。眼鏡も倉庫に置いて掛け忘れていたからカウンターからはみ出ていた頭髪部分は置物だと思って気付かなかったんだ。) 「・・や、やぁいらっしゃい!」 「おじさん、顔色悪いけど本当に大丈夫?」 「う、うん!大丈夫だよ!それより何かお探しかな?こんな小さいお客さんは初めてだよ!」 「えーとね、、あのね、笑わないでね!」 「うん!心配しないで!大事なお客さんの探し物を笑ったりしないよ!うちのお店は古いものだったらなんだって取り揃えているよ!言ってごらん?」 「うん。あのね、このお店に魔法使いになる本があるって聞いたの!私魔法使いになりたいの!だから、魔法使いの本、下さい!」 突拍子もない言葉に一瞬凍りついたがすぐこう答えた。     
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!