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ヒカリが洗面所からうきうきしながら足早に戻ってきた。ヒカリの大好物のカレーが待っているからだ。
席に着くと有無言わさず早さで声を発した。
「いただきまっ」
ーピンポーンーー
遮るように玄関チャイムがなる。
「誰かしら?」
八子が不思議がり首をかしげる。
「はいはい。ただいま行きますよ。」
八子が玄関に小走りで向かう。
ヒカリはハッと思い出した。
(あっそうだった!うちにヨシ君が来るんだった!)
[ガチャ!]
「あら!佳輝(よしき)君!こんばんわ!ヒカリちゃんに御用?」
「はい。ヒカリちゃんに・・家においでって。」
彼の名は荒苗佳輝(あらなわよしき)。ヒカリと幼なじみでクラスメイトである。読書・歴史物が好きで少し知的な感じを醸し出す。よく国立博物館へ足を運んでいた事もあり学校ではヒカリ以外からは博士と呼ばれている。ヒカリとは昔から遊んでいて、ヒカリの母、春が倒れた時も八子とは別にヒカリを支えていた一人である。彼自身はヒカリに好意を寄せているが、彼女の本意は不明。
「あらそうだったの!ちょうど今夕御飯食べている所なんだけど佳輝君も一緒にどうかしら?」
「あ、えーと、でも・・。」
佳輝がよそよそしくしているとどこからともなく音が聞こえた。
[ぐぅ~~~。]
佳輝は顔を真っ赤にした。
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