episode Ⅴ

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「さて。私も、このネックレスを全てのPSに取り付けなくてはいけませんねぇ……。PSは特別ですから」  焦り、慌てる兵士達とは違い、呑気な話し方で呟くものの、その顔には、冷酷で光のない、真っ黒な闇を宿していた。  クルリと物音一つ立てずに、綺麗なターンを決めると、彼は、元来た道をゆっくりと、悠々と歩いていった。  通路に響く甲高い足音は、これから始まる恐怖を暗示させる鐘の音のようであった。
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