episode Ⅲ

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「え……?」  男にしては、細くしなやかな指。  皺はあれども白い手。  この手を俺は知っている。  カメラのレンズが少し上を向いた瞬間。  ほんの、たった一瞬の出来事であった。  その手の持ち主を、カメラは捉えたかと思うと、プツンッと、そこで映像は途切れた。 「「「っ!!!」」」  俺達は、皆、あまりの衝撃に声が出なかった。  それもその筈。  ほんの僅かではあったが、あの瞬間。  カメラが捉えた者とは、上田龍平。  心配で心配で堪らなかった、俺のじいちゃん、その人であった。
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