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「え……?」
男にしては、細くしなやかな指。
皺はあれども白い手。
この手を俺は知っている。
カメラのレンズが少し上を向いた瞬間。
ほんの、たった一瞬の出来事であった。
その手の持ち主を、カメラは捉えたかと思うと、プツンッと、そこで映像は途切れた。
「「「っ!!!」」」
俺達は、皆、あまりの衝撃に声が出なかった。
それもその筈。
ほんの僅かではあったが、あの瞬間。
カメラが捉えた者とは、上田龍平。
心配で心配で堪らなかった、俺のじいちゃん、その人であった。
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