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映像が終わってから、どのくらい時間が経ったのだろうか?
パソコンの画面には、スクリーンセーバーとして設定した時計が、中央部分で秒針と連動したデジタル数字が動き、色を失くした俺の心の代わりに、カラフルな色合いを絶えず変化させていた。
この場にいる全員が、言葉を発する事も、動く事も出来ずにいた。
それ程、さっきの映像は三人にとって脳天を撃ち抜かれるくらいのものであったのだ。
「……なぁ……」
焦点の合わない目をしたまま、大介が力なく声出した。
「最後のって……」
ギギギギィッと軋んだ音でも鳴りそうにぎこちなく振り向き、不安と恐怖が入り混じったような何とも言えない表情で俺の顔を見た。
揺れる瞳が何を訴えているのかハッキリと理解できた。
ただ、彼が言いたい言葉は俺自身、信じたくはないもの。
けれど、この目で見てしまった以上、認めざるを得ない。
二人の顔を交互に見た後、俺はゆっくりと頷いた。
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