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呼吸を忘れるほどに
夜の音を求めていた
瞬きを失うくらいに
心の声を探していた
彼方で風がほどけていく
指先の痛みに憂いている
網膜に映り込む静寂に
鼓膜を叩く様な脈動に
冷たい雫が落ちてくる
命の底まで凍えていく
言葉を忘れるほどに
夜の灯を探していた
感覚を失うくらいに
心は雨を求めていた
透き通る群青に溶けて
沸き立つ感情に染まり
鏡に映した想いの多寡は
灯り浮かび揺れて掠れて
夜の終わりに紛れていく
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