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ロマンティックに表現すれば、そう、ゼルベルトは生まれて初めて、ひと目惚れをしたのだ。
全裸で何もかもが丸出し。なんなら、腹の中身まで出ちゃってる状態だ。急に羞恥を覚えるゼルベルトが取った行動は、彼にとっても予想外であった。
「……あ、すまねぇ」
「……き、きゃああああああ~~~!」
何を思ったのか、本能の発露か、ゼルベルトは全裸のまま仁王立ちになると、無造作に彼女の胸を揉みしだいたのだ。一応謝っているところを見るに、彼にとっても想定外だったのだろう。
こちらも予想外の痴漢行為を受けた彼女は、悲鳴を上げながらも豪快にフルスイングした平手打ちをゼルベルトに食らわせてふっ飛ばしていた。
「い、いってぇ、この馬鹿力! なんてことしやがる!」
「そ、それはこっちのセリフです! いいから早く服を着てください!」
既に隠すべきものは何もない。今更隠しても仕方がないとも言う。ゼルベルトは堂々と全てを晒しながら、むしろゆっくりと服を着ていく。
惚れた女の前だ。これ以上の無様は晒せない。服を整えると悠然と彼女に向き直り、問いかける。ただし、彼には似つかわしくなく顔が赤くなっていたが。
「……でよ、おめぇは何しに来たんだよ?」
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