開幕 『指切り』

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指切りげんまん嘘吐いたら針千本飲ーます──。 誰しもが一度はやった事がある……かもしれないし無いかも知れないその約束の仕方。 私も過去に一度人とした事がある──。 『指切り』 『針千本』──。 この言葉の意味をよく理解していれば……いやそんな事する人は居ないだろうけど、 ちゃんと考えてからした方がいいと思う──。 月曜日の午前7時、 私は人形の目が開く様にゆっくりと眼を開いた。 私は福瀬干露(ふくせひろ)。 市内の高校に通う2年生の女子だ。 大人しくてクールで、 とっつきにくい性格らしい。 私は楽しい事が好きだが、 まあ、 仕方無いかも知れない。 私には妹がいる。 名を美緒と言い、 こっちは明るく話しやすく人気がある。 「おねーちゃん! 学校行こう学校! 」 「最悪の目覚めだな」 私は美緒が入って来ると同時に言ったので、 とてもタイミングが悪いとしか言いようがない。 ごめん美緒。 「お姉ちゃん、 学校……行こ? 」 「うん、 さっきは悪かったよ」 涙眼で見て来るので気まずいが、 まあそれはそれで仕方がないことだ。 とりあえず学校に行こう。
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