第二幕 カクレンボ

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屋敷の前には、 身体中から針が出て指が全て切り落とされている4人が横たわっていた。 「美緒、 斎藤、 氷室、 幕雷……」 私は悲しみの涙が大量に溢れ出ていた。 いつの間にかこんなにもコイツらが大切になっていたんだ……なんて事も考える事も出来ず、 ただその場に泣き崩れていた。 「ひーろちゃん」 頭を貫く様な頭痛と共に、 私の名前が聞こえた。 少女は私の数㎝前に立ち、 無邪気な笑顔で私を見下ろしている……ああ、 分かってるよ。 次は私の番なんだろ? ……やってやるよ。 私は勢い良く立ち上がり、 涙を袖で拭いた。 「お前の事を絶対に見つけてやる」 私がそう言うと、 少女は今度は邪気の籠もった笑顔を見せた。 そして私は少女に右手の小指を立て、 突き出した。 「指切りだ! 」 少女は更に笑顔になると、 私の小指に自分の同じ方向の小指を絡ませた。 「ゆーびきーりしーましょ、 見つけられなかったら……針千本、 だからね? 」 「分かってるよ……! 」 直後に少女は少しずつ消え、 私の脳内には『1時間』という文字が浮かんで来た……恐らく制限時間だろう。 私は怒り、 悲しみのせいか死体が居た事なんて忘れて、 屋敷内に入る。 そして床の足跡を見て、 皆が探していない様な場所を分析した。 ──皆が探していない場所、 それは殆ど狭い所だった。 相手が小さい子供だと忘れていたのか、 徹底的には捜していない。 「居ない……」 私は壁の隙間やゴミ箱の中などの細かい場所も徹底的に捜した。 ──そうして30分が軽く経過した。 「見当たらない……恐らく屋敷内は全部捜したのに」 私は跡地の外も全て捜し終えていた。 だが、 誰の姿も見当たらない。 残り30分しかない……その時、 私は絶望した気分になったのだ。 ──『ロンドーア城跡地』──。 そう、 ここは城も在るのだ。 城は屋敷から数十m離れており、 屋敷よりも確実にデカい。 屋敷を捜す以上に時間がかかる筈だ。 「どうりで……見つからない訳だよな」 私は時計の針が進んで行くのをただ見つめていた。 そして城の方を見つめると、 何かが空を飛んで来る……30羽は居るであろうカラスの大群だった。
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