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俺の本当の人生はどっちなんだ?・・・
毎日そんな事を考えている。
酒に溺れ、会社も休みがちになった。
出社してもお偉いさんからは嫌味を言われ、部下も遠慮がちにしか接してこなくなった。
同僚は憐れみを浮かべた顔で当たり障りのない言葉を並べた。
俺が求め続けてきた物って何だったんだろう?
俺が本当に欲しかった物って何だったんだろう?
『それ』は人生において本当に大切な物だったんだろうか…?
そして、夏子が亡くなってからは操達に逢いたくても逢う事が出来なくなっていた。
また、時期を同じくして、あのオルゴールもピタリと蓋を閉じたままになってしまったんだ。
恥ずかしい事だが、俺の本当のショックはそれだったのかもしれない……
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