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そんなもどかしい毎日を送っていた、ある日。
朝、教室に入ると、やけに騒がしかった。
「どうしたの?」
自分の席に座りながら、前に座っていた奈々に声を掛ける。
「なんか、倉田さんが佐々木くんのこと、好きなんだって。でも、倉田さんって大人しいし、ムードメーカー的な佐々木くんは釣り合わないって、あいつらがからかってるの」
黒板の前で、クラスでも派手なグループの女の子達が、倉田さんを囲んでいた。
クスクスと笑いながら、楽しそうにからかう女の子達に、倉田さんが何か言い返せるはずもなく、ただ俯いて耐えている。
「助けてあげたい、けど……」
どうしてもこういう時、前に出るのは怖い。
次は自分が何かを言われるんじゃないかって。
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