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周りの女の子よりも背が高くて、バレーボールをやっているから筋肉だってそれなりある。
ふわふわなんてしていたら、ボールに吹き飛ばされてしまうから、仕方ないとは分かっていても、憧れるくらい許してほしい。
私よりも背が低い男の子もいる中、中野くんは私よりも背が高い。
それがどれだけ嬉しいか、きっと他の女の子には分からないだろう。
当然、中野くんだって、そんな私のささやかな乙女心なんて気付いていないに違いない。
「どうして、あんな奴がいいの?」
どうやら、にやけた顔を封印してくれた奈々が、ぼんやりしていた私の顔を覗き込んできた。
「……優しいから」
「どこが」
「えっと、さりげなく?」
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