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歪んだ心
事務所の時計が午前7時をさした頃、事務所のドアが開き、制服姿の龍平が入って来た。奥のドアから眠たそうな真紀さんが大きな口を開けて、挨拶しながら出て来た。真紀さんは 制服姿の龍平を見て少し赤い顔をしていたが、 「------なんや------何見とんねん。」 「み------見てないわ??自意識過剰!!」 「も~!!朝からやめてや!!真紀ちゃんもはよ学校行かなあかんやろ。朝ご飯はどっかで食べるか?」 「ありがとう、いらんわ。行ってきます。」 「行ってらっしゃ~い。」 事務所の窓から下を見ると、龍平が自転車を乗ると、後ろに真紀さんを乗せて走り出した。口は悪いし短気なところがあるが、たまにみせる優しさが女性の母性本能をくすぶるんだろうな。そんな事をおもっていると、事務所の階段を上って来る足音が聞こえた。ノックし扉を開けると、美紀さんだった。 「美紀さん。今日家に行こうとしてたとこですわ。」
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