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堪らずマルコが「いいのか?それ」と掛け違えたボタンを指差せば、爆ぜる勢いで顔を赤くした。
「た、大変失礼しました!!」
人と会う時はそもそもパジャマではまずいと思うが。マルコは何も言わなかった。
開発元はあのベッキー・ベイカーだ。パジャマで済んで良かったと思っておくくらいがちょうどいい。
(しかし、なんと言うか…)
マルコは言葉を探した。
「フ、フライトはいかがでしたか?アムリタは飛行機がどうも苦手で…」
一人称を名前とし、吃り気味に話すAIとは。斬新すぎて反応に窮してしまう。もともと乏しいと言われる表情が、ますます死ぬ手応えがあった。
そろそろ本当にカメラを回しながらベッキーが種明かしにやってくるだろうが、いい絵は撮れないだろう。確実に。
この子に罪はない、と自分に言い聞かせる。
マルコは出し抜けに尋ねた。
「口の形を認識しているのか?」
「え?」
「君は映像で裏で人が声を当てているだけか?と聞いている」
アムリタと名乗った少女はあまりにも自然に会話している。これがAIだとはマルコはどうしても信じられなかった。だから、次のような仕組みで動いているのだろうと推測した。
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