3章 ふたり

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 蒸したタオルを手に部屋へ戻りどさっと達生の横に腰を下ろす。  無造作に頬にタオルを当てると「あっ!」と達生が驚いて声を上げたからタオルを頬から離してやる。 「なんだ、熱いか?」 「あつ…くない………」  どうやら大丈夫そうなので止めていた手を再び動かす。顔全体から首を拭いてシャツの釦を上から外してゆく。釦が全部外れると白い胸が露わになった。  なまっちろい、とはこのことを言うのか。  まったく日焼けをしていない肌は真っ白で血管が浮き出てきそうだ。どうせ満足に運動もしていないのだろう。筋肉はなくてあばら骨の彫りが目で見て取れた。
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