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賭け事なんかには興味を示さず、たまにある会社や友人との飲み会以外に遅く帰って来ることなどなかったから、別の女の存在など疑う余地もなかった。
男は自宅に帰ると食事をし、妻と一緒にテレビを見て、後は書斎に引きこもって本を読む。
妻から声が掛かると風呂に入り、ベッドへ入り寝る。
そんな毎日の生活だった。
「なんであの人は先に逝ってしまったのかしら」
妻は困惑し、悲しむしかなかった。
遺書はあった。
しかし、それには『すまない』としか書かれてなかった。
結局、男の心理というものは分からないままとなってしまった。
そんなものを書いても誰にも納得されない。
周りの人間に余計に悩みを増やしてしまうだけ。
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