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「ざまあない。罪を免れて、自分は潔白だなんていうふうにしながら、生きていこうと思ってたんだろうから」
世間は、みんなその事件を肯定していた。
まだそれが片付かないうちに、同じようなことが起こった。
事件で容疑者扱いされたが、法廷で無罪となり、世間に解き放たれた人物が殺されていった。
そのたびにマスコミや世間は騒ぎ立てた。
罰を受けるべきはずだった犯人が、法の網をかいくぐったばかりに、成敗されたのだと。
一方で肝心の犯人は見つからなかった。
凄惨な現場なのに、手掛かりという手掛かりが見つけられない。
犯人は見つからなくてもいいだろう。
そんな空気が世間では広がっていた。
善良な市民ではなく、悪いことをした人間しか狙わないのだから。
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