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真夜中。
男は部屋で1人夜更かしをしていた。
朝方に太陽が昇るのを確認してベッドに入り、夕方から活動するという生活。
気ままなフリーターで、飲んだ先から帰って来たばかり。
テレビを点け、音楽を鳴らす。
夜はまだこれから。
そう思って、冷蔵庫に飲み物を取りに行った時、ふと玄関が気になった。
何やら足音がする。
こんな時間に珍しい。
男は夜型の生活をしていたから、マンションの住人とほとんど顔を合わせたことがなかった。
のぞき穴から見えたのは、黒づくめの人物。
通夜の帰りだろうか。
それにしては遅い。
知人が亡くなったが、仕事か何かですぐには駆け付けられずこんな時間になってしまったんだろうか。
男は咄嗟にそう考えた。
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