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「少し大きい子ならいいだろう。それに年寄りといっても、成人するくらいまでは見届けることが出来るはずだ。わしも君も、幸いまだ大きな病気なんかにも罹っていないし」
「もしうちに来てくれたら、どんなに幸せでしょう。一度は諦めた子供のいる生活を叶えることが出来るんですから」
「お互い、もっと元気になるだろうな」
夫婦はさっそく児童相談所に養子を取る話をしに行った。
職員は言った。
「ここにいる子たちとぜひ話をしてから、お決めになって下さい」
部屋の中にいるすべての子を見た後、夫は言った。
「本当に、いいんでしょうか?」
「何がです?」
「選ぶっていうのが。子供というのは、本来選ぶことは出来ないわけだし」
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