第三任務「地下鍾乳洞」

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第三任務「地下鍾乳洞」

 ストームのたすく室には、ヴァレンティーノが次の任務の説明を受けに来ていた。普段は中将を通じて任務票を渡すのだが、ヴァレンティーノは全く別件の書類を届けに来たため、ついでに任務説明まで受けていた。 「ごきげんよう、大佐。先日は本の町までありがとう。」ヴァレンティーノは嫌味を言うたすくを一度見たが、言葉を発することはなかった。 「次はコレ、来週ぐらいには行ってもらうわ。」そんな彼を無視して、たすくは任務票を彼が座っている目の前に置いた。ヴァレンティーノは、その任務票を受け取り、ざっと目を通した。たちまち不機嫌になる。 「何でこんなことばっかなんだ。」前回も、その前も、明らかなおつかい任務ばかりだった。そして、今回も。 「ちょっとね。」そんな彼の疑問に答えることなく、躱していくたすく。 「今日はそれだけだから、帰っていいわ、ご苦労様。」ヴァレンティーノは無言で席を立ち、ストームを後にした。  任務当日。ヴァレンティーノはもう慣れた様子で、ストームに来ていた。いつも通り門番が大佐の訪れを報告する。たすくは総隊長と共に門内にいた。     
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