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バイト先の倉庫会社での体験。
バイト先の倉庫会社は、結構大きな倉庫でクレーンが倉庫内を自走している、いわゆる自動倉庫なるモノである。朝と昼の二回、始業前点検として倉庫内を見回るのだが、従業員は面倒くさがり誰も点検をしないため、オレが一人で点検を行っていた。
ある日の昼、何時もの如く一人で点検に倉庫内に入った。倉庫内は水銀灯が点いていても薄暗く、先がぼんやりとしか見えない。少し怖い感じがしている。入口は手前側のみで奥には、非常口があるが施錠されていて開ける事はできなくなっている。一番奥まではだいたい100メートル位の長さがある。通路は人がギリギリすれ違える位の幅だ。そんな棚が30棚ある。手前から奥に進み、棚を回り奥から手前に帰って来る。ジグザグに行ったり来たりを繰り返し見回るのだが、その日は半分過ぎ手前に帰ろうと棚をぐるりと回ると、手前側から走ってくる従業員の姿が見えた。(珍しく誰か見回りしてるな)そう思った。このまま進むと鉢合わせしてしまうので、元来た方へ戻り、手前側に戻って倉庫から出た。出た先で従業員が作業をしていた。その位置から入口は良く見えるし、人が通ると解るはずなので、「誰か点検に入ってくれたんだ。」と声をかけた。しかし、その従業員は怪訝そうに「Kさん(オレ)しか入ってないよ?出て来たのもKさんだけだし」いやいや、中で走って来る従業員見てるからと思い、「中で人見たけど?」「何言ってんの?ここからなら出入りした人がいたら解るから!」「?」オレも訳が解らずにいると、その従業員が倉庫内に向け大声で「倉庫稼働させるぞ!中の奴早く出ろ!」と叫んだ。それから5分くらい待ったが誰も出て来なかった。自動倉庫を稼働させると倉庫内に人が居たりするとエラーが鳴るのだが、稼働させたがエラーは出ず正常稼働していた。オレが倉庫内で見た走る人は一体なんだったのか…
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