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月が綺麗な夜だった。
「紅、お前はこれからも俺についてくるのか?」
「はい。貴方と共にどこまでも」
私は忍。
貴方が使えると拾った。
ならば私は貴方の為に動こう。
貴方の手となり足となり。
「紅さーん」
「なんだ?総司」
「遊びましょ?」
ニコニコと笑顔で近づいてくる沖田総司。
だが、背中には隠しきれていない竹刀が見えている。
私はため息を吐いた。
「他の奴と遊べ。私じゃなくてもいいだろう」
「えー!?紅さんがいいです!もうつまんないです!」
「おうおう、総司!聞き捨てならねぇなぁ!」
それを聞きつけたかのように現れたのは原田左之助だった。
刀も勿論使うことができるが、槍の使い手だ。
「左之、頼んだ」
「えー!!紅さーん!」
「私はこれから仕事だ」
しぶしぶながらも道場に向かっていく二人の姿を見送り、私は副長である土方歳三のもとへと向かった。
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