第一章

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月が綺麗な夜だった。 「紅、お前はこれからも俺についてくるのか?」 「はい。貴方と共にどこまでも」 私は忍。 貴方が使えると拾った。 ならば私は貴方の為に動こう。 貴方の手となり足となり。 「紅さーん」 「なんだ?総司」 「遊びましょ?」 ニコニコと笑顔で近づいてくる沖田総司。 だが、背中には隠しきれていない竹刀が見えている。 私はため息を吐いた。 「他の奴と遊べ。私じゃなくてもいいだろう」 「えー!?紅さんがいいです!もうつまんないです!」 「おうおう、総司!聞き捨てならねぇなぁ!」 それを聞きつけたかのように現れたのは原田左之助だった。 刀も勿論使うことができるが、槍の使い手だ。 「左之、頼んだ」 「えー!!紅さーん!」 「私はこれから仕事だ」 しぶしぶながらも道場に向かっていく二人の姿を見送り、私は副長である土方歳三のもとへと向かった。
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