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女にうつつを抜かしている暇があるなら少しでも鍛錬するべきだろう。
その結果が良いものか悪いものかは私には分からないが。
「おー、紅。終わったんか?」
「ああ。問題ない。少し寝る」
同じ監察方にいる山崎烝がいる医務室で私は座りながら目を閉じた。
「布団に入ればええやんか」
「いい。もう慣れた」
昔からの習慣だ。
敵に襲われてもすぐに対応できるようにと。
私は目を閉じた。
「紅」
私は目を開けた。
目の前には藤堂平助と永倉新八がいた。
両人とも隊長だ。
「はい?」
「起こしちゃってごめんね~。遊びに行こうって誘おうと思って」
「私と?他の人誘えば?」
「紅さんとがいいんだって!」
二人は頷く。
私と行って何が楽しいんだろうか。
でも、二人からの頼みは断れない。
私は着替えてから行くと伝えた。
「山崎、服貸せ」
「もーなんやねん。俺の女装用のもんばっか頼りにしおって!」
着物を着ることなんてあまりないために持っていない。
それに私が動くのはいつも夜だから。
適当に選んで着替えた。
「何かあったらすぐ連絡しろ」
「はいはい」
山崎に手を振られ、私は部屋を出て門の前で待つ二人の元へと行った。
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